レザークラフトで作った革製品やレザーアイテムに、ロゴやキャラクターのマークをつけたいというご要望はたくさんいただきます。
革・レザーへのマーク(烙印)においては、ご希望のデザインで彫った金属刻印を熱して焼き付ける「焼印加工」と万力やプレス機、ハンマーで叩くなどの圧力をかけてデザインを刻む「刻印加工」があります。
今回は金属を熱して焼き付ける焼印加工についてご紹介させていただきます。
なぜ革・レザーにロゴなどの焼印をするのか?
レザークラフトで作った革製品の見た目をよくしたい。ということ。これは自己満足であったり、仕上がりのクオリティアップにつなげたいという場合に、ロゴなどの焼印加工を利用されています。
次に、ブランドの認知度アップにつなげたいという場合です。カバンや財布、名刺入れなど、いろいろな革製品を作っていて、そのブランドを少しでも広めたいという場合に、ショップのロゴを焼印することで、ブランドの認知度アップにつながります。
上記以外に、付加価値サービスとして、ロゴ等ではなく、お客様の名前の焼印をする名入れサービスとして使われる場合があります。これは無料のサービスとしてや、有料でのサービスにして売上アップにつなげることも可能です。

レザークラフトで使う焼印加工の道具は?
趣味などで革製品を作っている場合は、あまりコスをかけたくないという場合が多いので、火で直接温めたり、半田ごてを使った電気式の焼印加工を選ばれることが多いです。
●直火式焼印
直火式焼印はその名の通り、コンロなどの火で直接印面を温めて行う焼印加工になります。コストは一番低く利用できますが、温度管理が難しく、焼き付け具合を安定させることは困難になります。また、火を使えない場所では焼印加工ができないデメリットもあります。
直火式の焼印加工は、趣味でレザークラフトをやっていて、作った革製品にマークをつけるという場合などにおすすめです。
・コストが安い
・安定した焼印加工は難しい
・連続加工には向いていない
・趣味でレザークラフトをしている人向け
●電気式焼印
こちらは半田ごてを使って温めるもので、電圧を調節するパワーコントローラーを合わせて使うことで、安定した焼印加工が可能になります。半田ごては、電圧調節をしないと温度が400℃近くまで上がってしまうので、そのままでは温度が高すぎて、革・レザーが真っ黒に焦げすぎてしまいます。
パワーコントローラーについては、細かい温度調整はできないため、電圧を下げてどれくらいの焦げ色になるかを端材などで確認しながら、最適な温度をテストする必要があります。
直火式同様に、手で持って焼印加工をしますので、毎回同じ位置に焼印を押すことが少し難しくなります。
・半田ごてとパワーコントローラー分のコストがかかる
・安定した温度で焼印加工が可能
・手で持って作業するため、大量生産には向いていない
・趣味でレザークラフトをしている人向け

●ホットスタンプ
こちらの機材はオリジナル焼印をセットし、レバー操作をすることで素材に垂直に印面を押し付けることができるため、仕上がりのクオリティが高く安定した加工が可能なります。
また、ホットスタンプは1℃単位で温度調整ができますので、革・レザーに合わせた最適な温度で焼印加工が可能。温度を下げて焦げ色を薄くしたり、温度を上げて濃い焦げ色にしたりが自由に行えます。
コスト面は一番高くなりますが、その分仕上がりのクオリティの高さと安定した大量生産が可能となります。レバー操作なので、毎回同じ位置に焼き付けることができます。
・コストは高くなる
・高いクオリティで安定した焼印加工が可能
・文字の並び替えができるアルファベット焼印で名入れが可能
・革製品の販売などをしているプロ向け
レザークラフトで使う焼印の金属は?
オリジナル焼印を製作する金属においては、主に「真鍮製」と「ステンレス製」がございます。どちらの金属でも革・レザーへの焼印に利用できますが、基本的には真鍮製の焼印で問題ございません。
ステンレスは、真鍮に比べて耐久性や耐熱性が高いのですが、革・レザーへの焼印加工であればあまり大きな違いはないので、コストの安い真鍮がおすすめです。というより、ステンレス製を使う必要性がございません。

まとめ
レザークラフト作った革製品やレザーアイテムへの焼印については、趣味の範囲で使うのか、製品として販売する目的で行うかによって使う道具も異なります。また、コスト面においても焼印道具によって大きく差が出るので、そのあたりも道具選びの基準になってきます。
コストを抑えて焼印加工をする場合は、道具を手で持って焼印加工をする、直火式焼印セットか電気式の焼印セットがおすすめです。
仕上がりのクオリティを高くする場合は、コストをかけて安定した焼印加工が可能なホットスタンプセットの利用がおすすめです。
レザークラフトでの焼印道具の選び方がわからないという場合は、お気軽にご相談下さい。