初めての焼印ですが綺麗に焼印を捺せますか?失敗しない焼印加工!

初めての焼印

焼印の初心者ですが、初めての焼印加工でも綺麗に捺すことはできますか?

初めて焼印を捺す場合は、わからないことが多いと思います。焼印を捺すこと自体はとても単純な作業なのですが、どんな素材に捺すのか?デザインはどんなものか?など、利用状況によっても難易度が異なります。

何事も初めての時は勝手がわからず失敗することもあります。焼印においてもどれくらい押し付ければいいのか?温度はどれくらいがいいんか?など、わからないことも多いかと思います。

そこで、今回は素材ごとに焼印するコツをご紹介させていただきます。

和菓子や洋菓子などの食品への焼印

初心者 食品への焼印

食品への焼印については、対象によって焼印の難易度が大きく変わります。食品の表面が滑らかなのか、凹凸が多くあるのか、冷えているのかあたたかいのかなど、食材ごとに違いがあるため、きれいに焼印を捺すためには練習が必要です。

食材への焼印のコツや失敗しないポイント

①温度管理

食品への焼印は、温度が低いと素材が印面にくっついてしまうことがあるので、できるだけ高めから行うようにしてください。温度で言うと400℃以上あることが望ましいです。ですが、電気式や直火式の場合に、実際のどれくらいの温度になっているのかを把握することは難しいです。

電気式であれば、電源を入れてから10~15分待って温度が上がった状態で、直火式の場合は2~3分温めた状態で、木材などの端材に押し付けて濃い焦げ色が入るかを確認してください。

5秒程度押し付けてもあまり焦げが入らない場合は温度が低いので、再度温めなおして下さい。電気式の場合は、30分程度温めても焦げが入りにくい場合は、印面サイズが大きく温度が足りない状況なので、直火式に変更することをお勧めします。

②押し付け時間

温度がしっかり上がっている状態で焼印を捺し付ける時間は、1~3秒程度の短時間にしてください。長く押し付けると焦げすぎてしまったり、素材が印面に焼き付いてしまうことがあります。短時間で試して焦げ色を見て、薄い場合は、徐々に長くするようにしてください。

③押し付ける力加減

食品は素材として柔らかいものが多いので、押しつける力加減に注意が必要です。基本的には押し込むというよりは、軽く触れるような感じで押し付けるようにしてください。強く押し込むと形が崩れたり、印面のデザイン以外の部分が付いて、余分な焦げが付いてしまうことがあります。

木材への焼印

木材への焼印

木材は比較的焼印加工がやりやすい素材です。木材は食品ほど焼にじみが起きないので、細かいデザインでも焼印で再現することができます。初めて焼印をする場合は、一番適している素材ともいえます。

木材への焼印のコツや失敗しないポイント

①温度管理

木材への焼印も300~400℃程の温度が必要です。しっかりと温めて端材に押しつけて焦げ色が入るかを確認するようにしてください。温度が高すぎると真っ黒に焦げすぎてしまいます。

特に細かいデザインを木材に焼き付ける場合は、少し温度を低めにしていただくと焦げの広がりを抑えて、細かいデザインもきれいに焼き付けることができます。

②木材表面の状態確認

木材は一見平らで凹凸がないように見えても、微妙なへこみなどがあります。素材として硬さがあるので、その微妙なへこみで印面があたらず焦げが入らないという事があります。

また木目や年輪などがある場合も、かすかな凹凸ができている場合があるので、その場合も印面全体を綺麗に捺し付けることができなくなります。可能であればサンディングで表面を平らで滑らかな状態にするようにしてください。

③押し付ける力加減

木材は硬さのある素材です。それと表面に微妙な凹凸があることがあるので、少し強めに押し付けるようにしてください。硬いといっても強めに押し付ければ少し押し込むことができるので、微妙な凹凸でも全体を押し付けることができます。

焼印の押し付け方は、まっすぐ垂直に押し込むのは難しいので、手前から奥に押し込んでいくようにしてください。印鑑を押す要領で押し付けると綺麗に全体を焼き付けることができます。

④焼にじみを抑えるコツ

細かいデザインでどうしても焦げが広がってつぶれてしまうという場合は、木材の表面を霧吹きなどで少し湿らせていただくと、焼にじみを抑えて細かいデザインでも綺麗に焼き付けることができます。

⑤表面のコーティングの有無

木材表面をコーティングしていたり、塗装している状態だと塗料が邪魔をして焼き目が綺麗に入らない場合があります。その場合は、押し付ける時間を長くするか、温度を高くしてみて下さい。それでも塗装の厚みがある場合は、上手く焼目が入らない場合もあります。

革・レザー・合皮への焼印

革への焼印

革は焼印が入りやすい反面、焦げやすいという面もあります。革への焼印加工では温度管理が一番大切な要素になります。

革・レザーへの焼印のコツや失敗しないポイント

①温度管理

革は150~200℃程度の温度で焼き目が入ります。それ以上の温度になると、革が縮んだり変形してしまうことがありますので注意が必要です。電気式の焼印の場合はそのまま使うと温度が400℃近くまで上がってしまうので、電圧を調整できるパワーコントローラーを使うようにしてください。直火は温度管理が難しいので、あまりお勧めできません。

パワーコントローラーを使って温度を管理する場合は、低い温度から初めて焦げ色を見ながら徐々に温度を高くするようにしてください。

②押し付け時間

革は焦げが入りやすいので、1~2秒で十分焦げ色が入ります。長く押し付けすぎてしまうと革の変形や裏のとこ面まで焦げが滲んでしまうことがあるので注意してください。

③押し付ける力加減

革に凹みもつけたいという場合は、少し強めに押し付けるようにしてください。その時温度が高いと焦げすぎてしまうので、端材で何度か試してから本番の焼印をするようにしてください。

あまり凹みをつける必要がない場合は、軽く押し付ける程度で十分です。

④革の厚み

革は焼印がやりやすい素材ですが、厚みが薄いと焼印加工が難しくなります。特に1mm以下の厚みですと、革が縮んでしまう症状がおこりやすくなります。1mm以下の革への焼印の場合は、できるだけ温度を下げて行うようにしてください。

⑤合皮・PUへの焼印

合皮は本革と違って温度が高いと、焦げるというより溶けてしまうので注意が必要です。こちらの場合もパワーコントローラーを使って、温度をできるだけ低くするようにして溶けない温度になるようにしてください。

紙への焼印

紙への焼印

紙は焦げやすい素材なので、焼印加工の難易度が少し高くなります。温度管理も大切ですが、押し付ける紙自体にも気をつけなければいけません。

紙への焼印のコツや失敗しないポイント

①紙の種類

紙への焼印については、厚みのあるもの限定となります。薄いコピー用紙のような紙だとすぐに焼切れてしまいますので、焼印加工をすることができません。焼印加工に向いている紙は厚紙やクラフト紙、段ボールのような少し厚みのあるものになります。

また、光沢があったり塗装やコーティングがされているような場合は、焼き目が入りにくい場合もあるので、注意が必要です。

②温度管理

紙は非常に焦げやすい素材なので、150~200℃程度での焼印加工になります。温度が高すぎると焦げすぎたり、焼けすぎて穴が開いてしまうことがあります。かといって低すぎても全く焦げ色が入らないという事もあるので、パワーコントローラーを使って紙にあった適温を探る必要があります。

③押し付け時間

紙への焼印の押し付け時間は1~2秒程度の短時間で押すのがコツです。長く押し付けると、焦げすぎてしまったり、紙の裏面にまで焦げが滲んでしまうことがあります。最悪の場合は穴が開いてしまいます。

紙の種類によって押し付ける時間は変わりますので、素材に合わせてテストするようにしてください。例えば、段ボールへの焼き付けは、3秒~5秒が目安になります。

まとめ

焼印加工は単純な加工なのですが、意外と奥の深い作業になります。初めての方でもうまくできることもあれば、まったく焼き目をつけることができないという場合もあります。まずは、余っている木材などの端材で押し加減や温度による焦げ具合などをいろいろ試していただくのがよいかと思います。

何度か焼印の練習をすることで、徐々に押し付けるコツなどもわかってきます。特に食品への焼印加工においては、商品で何度も試すことが難しい場合もあるので、まずは木材などで印面全体を押し付けるコツを掴んで頂くと、失敗するリスクを減らすことができます。

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