焼印について

焼印の歴史

焼印(やきいん)とは、古くから使われている印章の一種で、文字や模様が彫られた金属を熱して素材に押し付けることで、その模様などを残す道具になります。古代から使われており、さまざまな場面で重要な役割を果たしてきました。

家畜に対して所有者を明確にするためにロゴを焼印していたため、転じてブランド(焼印)が商品ブランドを意味するようになった。
Wikipediaより
日本でも歴史は古く奈良時代ごろから使われており、富士山では登山用の金剛杖に焼印をしており、そのサービスは現在も多くの山小屋で行われています。

焼印で出来ることや利点

焼印と聞けばマークや模様を焼き付けたものというイメージを思い浮かべるかと思います。最近ではタルトの表面にロゴを付けるお店が人気になったりしてますね。
そんな焼印ですが、ロゴやキャラクーを焼き付けることでいろいろな効果が期待できます。
例えば・・・

焼印によるブランドの認知

ブランド認知につながる焼印
先ほどのタルトへのロゴの焼き付けもそうですが、お客様に渡す商品に自社のロゴが入ることで、その商品のブランド認知度を上げる効果が期待できます。同じ商品でもロゴの入っているものと、そうでないものでは大きな差になります。

焼印による環境への配慮

環境に配慮した焼印
焼印は環境にも優しい宣伝ツールです。パッケージや梱包材に貼るシールやラベルなどを焼印にすることで、ごみを減らすことにつながります。焼印を使うことでエコ活動の一環として社会や消費者へのアピールにもつながります。

焼印加工の耐久性の高さ

木材への焼印の耐久性
木材に付けた焼き目はよほどのことがない限り消えることはありません。気温や雨などによる経年劣化の影響を受けにくい特徴があるため、重要文化財の修復木材への年号の焼き付けなどにも使われています。
この焼印加工の特性を生かして、左官道具の持ち手に名前の焼印をしたり、屋外の木製ベンチにマークを入れたりということにも利用されています。

自由なデザインで作れるオリジナル焼印

焼印のデザイン
昔は手掘りでの焼印制作が主流でしたが、現在は機械による精密彫りが可能になったため、焼印製作の自由度がかなり高くなりました。かなり細かいデザインでもオリジナル焼印として製作が可能となっております。
ですが、焼印の特性として、焼き付ける素材によっては焦げがにじんでデザイン通りの焼き付けができない場合もあるので、どのような素材に焼き付けるのかによってデザインを考慮する必要もございます。

焼印製作用の金属について

木材や食品、革などに焼き付け加工ができる焼印は、基本的に金属製となります。焼印制作において使われている金属についてご紹介したいと思います。

真鍮(しんちゅう)

真鍮製の焼印
真鍮は銅と亜鉛を混ぜた合金で、黄銅などとも呼ばれます。海外ではbrass(ブラス)といい、ブラスバンドで使われる金管楽器や5円玉にも使われています。
真鍮は他の金属に比べて安価なため、焼印製作においては主流の素材となります。また、真鍮は金属としては柔らかいため、切削時間が短く納期も短くなります。
また、真鍮は亜鉛が含まれているため、耐食性が高く腐食しにくい金属でもあります。

ステンレス

ステンレス製の焼印
ステンレスは英語だと「stainless steel」となり、錆びない金属の代名詞となります。キッチンのシンクや蛇口など生活の中でも沢山のステンレス製のものがあります。
ステンレスは耐食性に優れているため、食品への焼印におすすめの金属となっております。食品衛生法としては、鉛とアンチモンが問題となりますが、ステンレスにはこの二つが含まれていないため食品衛生法適合の金属となり、安心して焼印加工にご利用いただけます。
この他にも鋳鉄製やシルバー製などの焼印もございますが、ほとんどのオリジナル焼印は真鍮製かステンレス製での製作となります。
オリジナル焼印の金属を比較!真鍮とステンレスの焼印の違いについて
オリジナルデザインで作る「焼印」ですが、主に真鍮とステンレスの2種類の金属で製作することがほとんどです。この2種類の金属の違いについてご紹介いたします。 真鍮(しんちゅう)について 真鍮は銅と亜鉛の合金で、金色のキレイな見た目の金属になりま...

焼印と刻印の違い

焼印も刻印もどちらも印を付ける加工という部分では同じなのですが、その加工方法による違いがあります。

焼印加工

■加工方法
焼印は熱を使って印をつける方法です。主に木材や皮革などに使用されます。一般的には熱した金属の印面を素材に押し付け、焼き付けることで文字やデザインを刻み込みます。
■用途:
食品など軟らかい素材へのロゴ入れや、特に耐久性が求められる場所や、印が削れやすい状況でも効果的です。例えば、武具や左官道具などの木材部分によく使われます。

刻印加工

■加工方法
刻印は物質の表面に刃物やレーザーなどで文字や模様を刻み込む方法です。この方法は比較的細かいデザインを実現できます。
■用途
刻印は宝飾品、メダル、時計、電子機器など、デザイン性や精度が求められる場面でよく使用されます。また、金属以外の皮革製品へのロゴやマークの押付にもよく利用されます。

焼印の温め方

焼印の温め方
焼印はデザインを彫刻した金属を温めて焼き付けます。その温める方法として電気を使った半田ごてで温めるか、コンロなどの火で直接温めるかの2種類になります。
■電気式焼印(半田ごて利用)
コンセントに差し込むだけで一定の温度を保って焼印加工が可能です。温度が一定を保ってくれるので、焼印加工の仕上がりについても安定しますので、初めての方にもおすすめの焼印加工になります。ただし、電源を確保できない屋外などでは利用できません。また、電気を利用するため焼印ができる温度に温まるのに10分ほど待機が必要です。
■直火式焼印(コンロやバーナーを利用)
電気の使えない屋外などでは、直接火で炙って温める直火式の焼印加工になります。温める時間によって焼き付けた際の焦げ具合が違いが出るので、少し熟練度のいる加工方法になります。直接火で炙るので温める時間は1~2分と短く、待たずに焼印加工ができるメリットはあります。
電気式焼印と直火式焼印の違いについて
食品や木材に焼印をする場合、半田ごてを使った電気式焼印にするか、直接火で炙る直火式焼印を選び必要がります。どちらがいいのか?それぞれの焼印加工におけるメリットとデメリットをご紹介。

焼印ができる素材について

焼印加工は基本的に「焦げる」素材ならどんなものでも焼き付けることが可能です。ただし、素材の状態によっては彫刻したデザインがキレイに焦げにならない場合もございます。キレイに焼印が入るか心配という場合は一度ご相談下さい。

食品への焼印

食品への焼印
食品へのご利用は増えており、どら焼きやおまんじゅう、煎餅、ケーキ、卵焼き、ハンバーガー、食パン、パンケーキなどいろいろな食材にロゴやキャラクーの焼印をされています。
食品においては焼き付けは比較的やりやすいですが、仕上がりのキレイさについては素材によって大きく差が出てしまいます。まず木材などと違って表面が平らではないということ。そして、食材によっては焦げがひろがりやすかったり、印面に素材の方がくっついてしまったりということがございます。

木材への焼印

木材への焼印
焼印加工の素材として一番相性がいいのが木材です。表面は比較的平らでデザイン全体をキレイに焼き付けることが可能です。また、食品ほど焦げがにじむことも少なく、仕上がりもキレイになりやすいのが木材への焼印です。
祭り用の木札や切り株を使ったノベルティグッズ、割り箸やアイスの棒、木製家具など、いろいろな木材への焼印加工に利用されています。その他にも、重要文化財建築の補修木材への年号の焼き付けだったり、屋外での焼印加工イベントで使われたりもしています。
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